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Things I enjoyed in 2024

早くも2025年1月が半分以上過ぎましたが、ようやく2024年中に読んだ書籍や観たドキュメンタリーなどを振り返り、ピックアップしてまとめました。自分の備忘録として残しておきます。

Reading

AWS継続的セキュリティ実践ガイド

クラウド環境、とりわけ AWS におけるセキュリティ管理の全体像を把握するために読みました。監視に必要なロギングの仕組み、ログの集約・可視化、探索的分析の手法などが学べます。

あわせて AWSコンテナ設計・構築[本格]入門 も拝読しました。こちらは ECS on Fargate を中心に、コンテナを活用したアーキテクチャ構築について実践的に解説してくれる良書です。自分の知識の穴を埋める目的で読みましたが、大変学びの多い内容でした [1]

データ指向プログラミング

プログラミングにはさまざまなパラダイムがあり、その一端を垣間見るために読みました。こちらについては、下記の記事で詳しく触れていますので、興味があればぜひご覧ください。

「データ指向プログラミング」というプログラミングパラダイム

アーキテクトの教科書

システム全体を設計・構築するには、ソフトウェア開発における幅広い知識が必要です。これらを手探りで進めるより、全体像を把握しつつ自分の不足分を補っていくほうが効率がよいと感じています。

最近では LLM の普及により、実際のコードは AI や Coding Assistant に任せることも増えてきました。そうした時代だからこそ、抽象度の高いシステム設計を理解し、構築できる力の重要性が増しています。本書は、アーキテクチャの全体像を包括的に教えてくれる一冊です。

LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門

日々進化する AI 業界の動向を踏まえつつ、LLM アプリケーション開発について日本語でまとめられた貴重な書籍です。LangChain をはじめとするエコシステムや、開発手法は変化スピードが非常に速いですが、基礎を体系的に押さえるには大いに参考になります。

GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた

フルリモートカンパニーとして有名な GitLab がどのようにリモート組織を運営しているかにフォーカスした書籍です。GitLab の社内マニュアルは GitLab Handbook として公開されているため、本書で概要を把握しつつ、詳細は Handbook を読むのがおすすめです。

ビジュアルシンカーと脳

本書では、人の思考タイプを大きく「言語思考タイプ」と「視覚思考タイプ」に分けて論じています。日本の受験事情などを振り返ると、たしかに言語思考タイプが評価されやすい社会になっているという指摘は興味深いです。

ソフトウェアやハードウェアを問わず、エンジニアリングに携わる人は視覚思考タイプが多いという考察もあり、自分の経験とも照らし合わせて納得する部分が多々ありました。

TAKE NOTES!

Obsidian や Roam Research の人気で注目されている「ツェッテルカステン」という情報管理手法について詳しく解説した書籍です。

個人的には、Obsidian を使った Personal Knowledge Management (PKM) を実践中で、情報を相互に結びつけて管理していく考え方が非常に自分には合っていると感じています。ピュアなツェッテルカステンではありませんが、このアプローチは今後も続けていきたいと思っています。

TV show, movie, documentary and anime

The Antisocial Network: Memes to Mayhem

日本の「2ちゃんねる」をルーツに持つ「4chan」というプラットフォームが、近年のアメリカ文化と政治にどのように影響を与えたかを描いたドキュメンタリーです。

「アノニマス」と呼ばれるハッカー集団のルーツが 4chan にあるなど、インターネット上のコミュニティでの活動が現実世界にも大きく作用していることがわかり、勉強になりました。

Cyberbunker: The Criminal Underworld

ドイツに実在した違法コンテンツをホストするデータセンター「サイバーバンカー」の実態に迫るドキュメンタリーです。いわゆるダークウェブがどのように支えられているのか、その裏側が垣間見えます。 特に、当事者たちが平然とインタビューに答えている点が衝撃的でした。

Big Vape: The Rise and Fall of Juul

アメリカで若者を中心に一世を風靡した電子タバコ「JUUL」の隆盛と衰退を描いたドキュメンタリー。健康・ビジネス・政治という三つの観点が衝突しあう構図は非常に考えさせられます。 自分がアメリカにいた頃に流行していたため見かけたことはあったのですが、これほど大きな社会問題に発展していたとは知りませんでした。

BlackBerry

かつてモバイル市場で大きなシェアを占めた「BlackBerry」の栄光と衰退を追うドキュメンタリーです。まさにジェットコースターといった感じで、急成長と急減速のスピード感が激しさは目を見張るものがあります。

iPhone が登場したことで、一気に状況がひっくり返った実例として、とても参考になると思います。 新しい技術やプロダクトが出現してビジネス環境が大きく変わるときに、企業がどのような影響を受けるかを学べる、良いドキュメンタリーだと感じます。

バクマン。

高校生2人がマンガ家を目指す物語です。「面白いものとは何か」を本気で追求していく姿が印象的で、クリエイティブな領域全般に通じるマインドを感じました。起業やプロダクト開発にも応用できる考え方があると思います。

ブルーロック

メッセージの要である「エゴ」を軸に、徹底的に自分の個性を見つめ、磨き上げる姿が描かれている作品です。アニメはもちろん、原作漫画も読んでみたくなりました。

Tech and tool

LLM

2024年も、ChatGPT や GitHub Copilot、Cursor などの LLM 関連ツールを大いに活用しました。もはやエンジニアにとって欠かせない存在と言っても過言ではないですね。

また、LLM アプリケーションの開発でも Amazon Bedrock や LangChain、Vercel AI などに触れており、日々進化が著しく刺激的です。2025年も引き続き楽しみながら使いこなしていきたいと思います。

Plasmo

Plasmo は拡張機能開発フレームワークで、Web アプリの Next.js のような立ち位置のツールです。拡張機能を React や TypeScript で作ろうとするとセットアップが煩雑になりがちですが、Plasmo を使うと圧倒的に開発が楽になります。

個人的に、LLM と拡張機能を組み合わせることで、Web の体験がさらに向上すると考えています。

Figma Slides

Figma Slides はその名の通り、Figma が提供するプレゼンテーション作成ツールです。Figma の使用感そのままに、プレゼンテーション作成に特化された UI/UX を提供していて、使いやすいのでおすすめです。

Readwise Reader

2024年の年末頃から、RSS リーダー兼記事管理アプリとしてReadwise Readerを試しに使い始めています。

今まで RSS リーダーとしては Feedly を使っていましたが、後で読みたい記事の管理のしやすさ、記事の閲覧体験といった観点から、Readwise Reader に乗りかえました。

このあたりの話は改めて別記事にでもしようかと考えています。

Personal and random stuff

音声入力

声を出せる環境では、スマホやPCでの音声入力を利用することが増えました。多少の誤字はあっても読み取れますし、あとから ChatGPT などで文章を整形すればいいという安心感が大きいです。

特に、外出先などモバイル端末のみで長文メモを取りたいときに重宝しています。ドキュメンタリーの感想をその場で録音し、あとから整理するなどの使い方をしています。

紙とペン

何か考え事をする際は、いきなりノートアプリに入力するのではなく、まず紙とペンで書き出すようにしています。

使っているのは無印良品の「メモパッド 140×100mm」が多いです。手を動かして書くと、頭の中の整理がしやすいと感じます。

Food and drink (おまけ)

うどーなつ

丸亀製麺が販売する「うどーなつ」おすすめです。もちもちでおいしいです。

ロータス ビスコフサンド

ロータスビスコフ好きにはたまらない「ビスコフサンド」がおすすめです。ビスコフの独特の風味と甘みを挟んだクリームがクセになります。

以上が、2024年に読んだ書籍や観たドキュメンタリーなどのまとめでした。新しい知識や体験は日進月歩で変化していくので、2025年も柔軟にアップデートしていきたいと思います。


[1]
こちらの書籍に関しては、直近のソリューションを含めた最適解を探るスライドが公開されているのであわせておすすめします。 AWSコンテナ本出版から3年経った今、もし改めて執筆し直すなら / If I revise our container book - Speaker Deck
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